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賃金関係HEADLINE

Q1.未成年者が働いた分の賃金は、保護者に支払ってもよいですか?

A.未成年者とはいえ、独立した人格として、賃金を請求する権利があります。あくまで労働者本人に支払わなければならず、親権者や後見人が代わって受け取ることはできません(労基法59条)。

Q2.退職金は2年で時効にかかってしまうのですか?

A.退職金の請求権の時効は、労基法115条で5年と定められています。なお、退職手当を除く賃金、災害補償その他の請求権の時効は2年と定められています。

Q3.欠勤1日に対する賃金カット額はどのようにして計算すればよいでしょうか?

A.労基法上は欠勤の賃金カット額の計算方法については特に規定はありません。一般的にとられている方法としては、1日の賃金額を出して欠勤1日についてその額をカットする方法です。1日の賃金額を出すには、月給額を1年間における1カ月平均の所定労働日数で割る方法などがあります。

Q4.賃金の支払日を「月の第4金曜日に支払う」と定めてもよいでしょうか?

A.賃金の支払期日は、特定されていなければなりません。「第4金曜日」という定めは、月によって支払日が7日の範囲で変動することになりますから認められません。

Q5.賃金の支払日が休日にあった場合、後日に支払うことはできますか?

A.支払日が会社の所定休日にあたる場合は、その休日明けに支払うことは違法にはなりません。ただし、就業規則などで「支払日が休日の場合は、その翌日に支払う」などの定めを設けて明確にしておいてください。

Q6.遅刻した者がその日に残業した場合も、残業時間に対する割増賃金の支払いが必要ですか?

A.労基法上、時間外労働の割増賃金の支払いが義務付けられているのは、実労働時間(8時間)を超える労働です。したがって、遅れてきた場合は、その日の業務開始以降の実労働時間で8時間を超えた部分についてのみ割増賃金を支払うことになります。

Q7.経営が苦しいので、労使合意のうえ、当分の間、割増賃金を支払わないこととしてもよいでしょうか?

A.労基法の規定は、労使の合意によってもその適用を回避することはできないので、法定の割増賃金を支払わなければ法に違反し無効です。

Q8.35%以上の割増賃金を支払う対象となる法定休日はあらかじめどの日か決めておくべきですか?

A.法定休日(原則:1週1休)は、必ずしも休日を特定することを義務付けているわけではありません。 しかし、法定休日と法定外休日とで異なる割増率を設けている場合には、就業規則などで単に「1週に1日」ではなく、具体的に一定の日(毎週日曜日など)を法定休日と定めるほうが望ましいでしょう。

Q9.最低賃金に満たない契約の効力は

A.最低賃金を下回る契約は、その部分は無効で、その場合、賃金は最低賃金額まで引上げた金額が契約金額となります。 地域別最低賃金額以上の賃金を支払わないと、最低賃金法第4条違反となり、産業別最低賃金の地域別最低賃金を超え産業別最低賃金未満の部分の不払いの場合は、労働基準法第24条(賃金の全額払いの原則)に違反することとなります。

Q10.最低賃金に満たない契約をするとどうなりますか?

A.最低賃金に満たない契約は無効です。ただし、契約そのものが無効になるのではなく、最低賃金に満たない部分のみが無効となります。つまり、最低賃金と同じ額に引き上げた額で定めたものとして取り扱われます。 なお、最低賃金以上の賃金を支払わないと、最低賃金法違反となります。

Q11.最低賃金の適用について、例外的な取扱はないでしょうか?

A.精神または身体の障害により著しく労働能力が低い労働者等については、都道府県労働局長からの最低賃金の減額の特例許可を受けた場合は、許可を受けた減額された金額がその人が適用される最低賃金額となります(最賃法7条)。

Q12.当社は、企業全体は一般産業用機械製造業に分類されていますが、都内の本社をはじめ、A県、B県にある工場のすべての労働者に「東京都一般産業用機械・装置製造業最低賃金」が適用されるのでしょうか。

A.産業別最低賃金は、日本標準産業分類の分類区分に従って適用されますが、日本標準産業分類ではその産業の決定方法は「主として管理事務を行う本社、支社、支所などの産業は、管理する全事業所を通じての主要な経済活動と同一とする」とされています。ですから、営業など対外的活動を行わない本社、支社は企業全体を通した業種で見ることになりますので、都内に所在する本社は「東京都一般産業用機械・装置製造業最低賃金」が適用になります。また、A県、B県等の工場についてはそれぞれの主たる製造品ごとの業種として、各県で設定されている最低賃金が適用となります。

Q13.派遣労働者に適用される最低賃金は、派遣元、派遣先のどちらの事業所に適用される最低賃金になるのでしょう。

A.派遣労働者に対しては、派遣先事業場に適用される地域(産業別)の最低賃金が適用されます。

Q14.給料が最低賃金を上回っているかどうかを比較する場合に通勤手当、職務手当、賞与は含めてもいいのでしょうか。

A.最低賃金と実際の賃金を比較する場合に、含めない賃金については、最低賃金法の省令等によって、「@臨時に支払われる賃金(結婚手当等)、A1カ月を超える期間ごとに支払われる手当(賞与等)、B所定時間外労働、所定休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金、C当該最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当、家族手当)」となっています。したがって、ご質問のうち通勤手当、賞与は比較の際は含めないということになります。

Q15.東京都の最低賃金は時間額で定められていますが、賃金が日給又は月給の場合、最低賃金と比較するのにはどうするのですか。

A.東京都においては、最低賃金が時間額のみで定められていますので、 (1)日給については、日給額を1日の所定労働時間(日によって所定労働時間が異なる場 (2)月給については、月給額を月における所定労働時間(月によって所定労働時間が異なる場合は、1年間における1月平均所定労働時間)で除した金額と最低賃金の時間額を比較することになります。

Q16.当社では、手当について選択メニューを提示して、その中から従業員本人が選択するいわゆる「カフェテリアプラン」の導入を考えています。この制度に基づく給付は労働基準法上の賃金に該当しないと考えてよいでしょうか。

A.一般的には、「カフェテリアプラン」とは「会社が福利厚生をメニューとして提示し、従業員が予め与えられたポイントの枠内で選択する制度」とされています。労働基準法では、使用者が労働者に支給するものであって、支給条件が明確で、かつ、労働の対価と認められるものを賃金としています。賃金であれば、支払方法や割増賃金の基礎の算入等が法律上義務付けられることとなります。貴社が用意する選択メニューが、財産形成を目的とする住宅ローンの利子補給、自己啓発を目的とする通信教育補助等の場合は、福利厚生と考えられますので労働の対価とは認められず賃金には該当しません。しかし、家賃補助や通勤補助等の場合は、実質的には賃金とみなされます。以上のように、賃金か否かの判断は、「カフェテリアプラン」において提示される個々の給付内容に応じて判断することとなります。なお、税法上の給与所得の取扱は別となりますのでご注意ください。

Q17.確定拠出年金法による企業型年金の事業主掛金は、賃金に該当しますか。

A.確定拠出年金法による企業型年金においては、事業主掛金は資産管理機関(個人別の資産を管理する機関)に対して納付され、年金加入者である労働者は投資商品を選択して自ら運用指図を運営管理機関(企業型年金の管理を行う機関)に対して行ないます。このように、事業主掛金は資産管理機関において個人別に資産管理されるものの、労働者が自由に処分できるものではありません。またこの掛金は、規約において掛金額を定め、事業主が毎月の掛金を翌月末日までに納付されていることとされており、一定の受給要件を充たした場合にのみ労働者に対し給付が開始される点は、既存の厚生年金基金制度や中小企業退職金共済制度と異なることはありません。したがって、確定拠出年金の事業主掛金が賃金に該当するかどうかを明確に解釈を示した通達は未だありませんが、他の制度における考え方と同様、労働基準法第11条の賃金に該当しないと考えられます。

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