A.割増賃金の算定基礎には、家族手当、住宅手当等算定基礎から除外できる賃金(7項目)以外は全て算入しなくてはなりません。定額残業手当はこのいずれにも該当しませんが、就業規則等により時間外労働に対する手当であることが明記され、実際に行われた時間外労働に対し、当該手当の額が法定額を下回った場合にその差額を支払うこととされていれば、労働基準法上の時間外労働手当であり、労働基準法第37条第1項が定める「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上」の「通常の労働時間の賃金」には該当しませんので、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくてもよいことになります。
A. ご質問の控除は、法律に基づく支払賃金からの控除ではありません。したがって、社宅料や購買代金等について行われる控除と同様に、労働基準法第24条第1項との関係で、まず預入等にかかる金銭についての賃金控除協定を労使間で締結する必要があります。この協定は、財形貯蓄を取り扱おうとする事業場において、その事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合と、ないときは労働者の過半数を代表する者と事業主とが書面により行うものです。なお、このようにして締結された協定そのものは、賃金から控除しても労働基準法違反にならないという効果しかありません。したがって、さらに、実際に財形貯蓄を行おうとする労働者と事業主とが取扱金融機関、預入等の時期、金額等について取決めを行う必要があります。
A.労働基準法上認められている端数処理方法は次のとおりです。
(1)割増賃金の計算
A.1時間あたりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げる。
B.1か月間における割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、Aと同様に処理する。
(2)平均賃金の計算
C.賃金の総額を総暦日数で除した金額の銭未満の端数を切り捨てる。なお、平均賃金を基にして休業手当等を計算する場合は、特約がなければ円未満の端数処理はAと同じ。
(3)1か月の賃金計算
D.1か月の賃金額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した残額)に100円未満の端数が生じた場合は50円未満の端数を切り捨て、50円以上の端数を100円に切り上げて支払うことが出来る。
E.1か月の賃金額に1,000円未満の端数がある場合は、その端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことが出来る。
なお、E・Dの取り扱いをする場合は、その旨就業規則に定めることが必要です。